ケアマネージャーが知っておきたい高齢者と薬と副作用ナビ

生活の場面で見られる薬の副作用

(1) 食事の場面で見られる薬の副作用

 

食欲の低下には、色々な原因が考えられます。
薬の副作用も、その原因のうちのひとつで、例えば、貧血の薬である鉄剤や、
心不全治療薬の一部には、吐き気や嘔吐の症状が表れることがあります。

 

鎮痛解熱薬や抗菌薬、アリセプトなどの抗認知症薬などでも
胃の痛みや吐き気などの副作用がでることもあります。

 

また、口の中に苦味が残る副作用を持つ睡眠薬や抗菌薬など、
味覚異常を起こす薬剤もあります。

 

このような薬剤を服用していると、食欲が低下してしまうことがあります。

 

(2) 排泄の場面で見られる薬の副作用

 

高齢者では、薬が排尿機能に影響を与える例が少なくありません。

 

たとえば、総合感冒薬や抗アレルギー薬、抗うつ薬などに含まれている成分は、
膀胱の筋肉に作用して、尿をでにくくさせることがあります。
特に、男性の高齢者に多い前立腺肥大症の人では、
尿がでにくくなることがあるので注意が必要です。

 

また、抗不安薬や睡眠薬、また、膀胱の過敏症状を改善する薬などでは、
膀胱が収縮しにくくなり、尿失禁を起こしてしまうこともあります。

 

さらに、高齢者は運動量が減り、消化器機能も低下するので、
ただでさえ便秘になりやすい状態であるといえます。

 

そのような状態のところに薬の副作用が重なると、
頑固な便秘になってしまうこともあります。

 

カルシウム製剤や、抗精神病薬、抗アレルギー薬などでも
便秘が起こる場合がありますから注意が必要です。

 

(3) 睡眠の場面

 

高齢になると眠りが浅くなります。
日中に居眠りをする人も多くいて、日中の居眠りによって生活が不規則なり、
身体のリズムも狂いがちになってしまいます。

 

また、心配事などがあると不眠の原因になります。

 

このように睡眠には、様々な要因が影響します。

 

薬でも、ステロイド薬や、抗うつ薬、喘息や気管支炎の薬、
抗認知症薬などで、睡眠の質が悪化する副作用が出ることがあります。

 

(4) 運動の場面

 

高齢により、或いは病気により、筋力が低下したり麻痺などの身体機能面が低下します。
また、薬の副作用が原因となって、筋力が低下するなどの身体機能が低下することがあります。

 

睡眠薬や抗不安薬、高血圧の薬などは、ふらつきを引き起こすことがあります。
特に、睡眠薬などは、夜間の転倒の原因になることが少なくありません。

 

利用者さんにふらつきや転倒が見られたときには、
身体機能と併せて、服用している薬の確認をすることが必要で、
場合によっては、医師や薬剤師と連携することも大切です。

 

また、歩行障害や精神障害など、パーキンソン病などの疾患も原因として考えられますが、
薬の副作用による薬剤性パーキンソンニズムが現れる事もあります。

 

抗精神病薬、胃腸の運動を改善する一部の胃腸薬などには、
このような副作用があることが分っています。

 

高齢者は、薬を服用する前の段階で、身体の機能の衰えが見られます。
ですから、薬を服用すれば、想定以上の効果が現れたり、
想定していたよりも効果が見られないなど、薬の効き目を想像することは難しいので、
介護職などが様子を観察することが必要です。