ケアマネージャーが知っておきたい高齢者と薬と副作用ナビ

高齢者の薬の副作用

若い人に比べて、高齢者は身体の様々な機能が衰えているので、
薬による副作用が現れやすい傾向にあります。
薬による副作用を早期発見し、早期対応できるよう、
介護職員は、ポイントを整理して利用者さんのケアにあたることが大切です。

 

子供に特化した小児科学のように、高齢者の体の変化や疾患を専門とする老年医学があります。
老年医学の専門医によると、
「高齢者にとって薬の与える影響は大きく、身体に対する最大の刺激といえる」そうです。

 

高齢者は、個人差がありますが、肝臓や腎臓の機能が若いときよりも低下しているので、
若い人よりも薬の副作用がでやすくなります。
また、作用が出すぎたり、でなさ過ぎたりが予想しにくく、
若い人よりも薬の作用の仕方は複雑になるため、
薬を服用している患者さんや利用者さんの観察は重要です。

薬に関わる高齢者の特徴

(1) 臓器機能が低下する。

 

例えば、心臓や肺などの人間の臓器機能は、20〜30代くらいがピークです。
その後は、年齢を重ねるに連れて機能がゆっくりと落ちていきます。
そのため、高齢者は全体的に見ると虚弱な状態にあります。

 

肝臓や腎臓など、薬の代謝や排泄で最も重要な臓器の機能も
年齢を重ねるに連れて低下します。
すると、薬が血液中にとどまる時間や濃度の変動が大きくなるので、
作用が強く現れたり、副作用が現れやすくなったりします。

 

(2) 病気へかかりやすくなる。

 

高齢者には、慢性的な病気を持っている人が多いです。
例えば、糖尿病は、血管の動脈硬化を進め、心臓の機能を低下させ、
様々な臓器に影響を与える慢性疾患です。

 

このように慢性的な病気を持っている人は、臓器も弱っている傾向にあり、
さらに病気になると負荷がかかります。
そのような状態のところに、薬を使用すれば、身体には大きな負担がかかります。

 

(3) 薬の多剤併用者が多い。

 

高齢者の場合、複数の病気を抱え、一度に治療をしている人が多いので、
病気が重なれば重なるほど薬の種類も増え、
薬同士の相互作用などで臓器にも一層負担がかかります。

 

もともと機能が低下していて、予備力のない臓器は限界となり、
副作用がでやすくなります。

 

このようなことから、高齢者の薬の副作用を考える時には、
まず、加齢による臓器機能の低下をしっかりと認識することが必要です。

 

心疾患であれば心臓が悪いなど、該当する臓器の機能が悪化していることは理解しやすいのですが、
病気でない臓器は健康であると思ってしまいがちです。
ですが、加齢による臓器機能の低下が存在します。
そして、薬の副作用は、併用が増えれば増えるほど発現しやすくなりますし、
副作用の現れ方は必ずしも一様ではなく、個人差があります。

 

長年、同じ薬を同じ用量・飲み方で服用し続けている人で、
今までは問題がなかった場合でも、突然副作用が出る事もあります。

 

高齢者に変化が見られたときには、常に薬の副作用の可能性も念頭においた上で対応することが大切です。